「脱毛するとワキガが治ったって本当？」

「ワキガの原因と対策を知りたい」

ワキガは腋臭症（えきしゅうしょう）とも呼ばれており、脇から悪臭が出る症状のことです(※)。 制汗剤を使ってもにおいが消えず、悩みを抱えながら毎日を過ごしている方もいるのではないでしょうか。

ワキガ専用の治療法もありますが、脱毛でも症状が軽減することがあるといわれています。

今回は、ワキガと脱毛の関係性や、ワキガの原因と対策について詳しく解説します。

「自分でできる臭い対策」「根本的に治療できるクリニック」「ワキ脱毛におすすめの医療脱毛クリニック」も紹介するので、ワキガで悩んでいる方は最後までご覧ください。

※参照：一般社団法人 日本形成外科学会

脱毛でワキガになることはない！ワキガの原因

ワキガであることを恥ずかしいと感じる方が多いかもしれません。 ですが、日本皮膚科学会によると、日本人の約10人に1人はワキガだといわれています。実は、珍しい症状ではないのです(※)。

ワキガの原因は、2種類ある汗腺(エクリン腺とアポクリン腺)であり、主な原因はアポクリン腺からでるベタベタした汗です。また、エクリン腺の汗による蒸散作用でも、さらに臭いが広がります。

アポクリン腺から出る汗には脂肪酸や脂質、たんぱく質やアンモニアなどさまざまな成分が含まれており、その成分が体表面の常在菌に分解されると、強いにおいが生じます。

ワキガの方はこのアポクリン腺が大きく数も多いため、においを発しやすいのです。

※参照：日本皮膚科学会

ワキガになりやすい人の特徴

ワキガになる原因として多いのが遺伝です。 両親がワキガの場合は75％、片方の親がワキガの場合は50％の確率で子どもにも遺伝するといわれています。 遺伝によってアポクリン汗腺の数や大きさが決まってしまうのです。

ほかにも、次のような方は、ワキガ体質の可能性があります。

上記に当てはまる方は、ガーゼテストで臭いレベルを確認してみましょう。 ガーゼを脇に挟んで数分間運動し、ガーゼに鼻を近づけると臭う場合はワキガの可能性が高いです。

ワキガの臭いには個人差がありますが、硫黄臭(温泉のような臭い)、脂肪酸臭(カビのような臭い)、カレースパイス臭(香辛料のような臭い)が特徴的で、3つの臭いが混ざり合うこともあります。

脱毛でワキガは治る？悪化する？

結論、脱毛でワキガが治ることはないですが、臭いの軽減は期待できます。 ここでは、脱毛がワキガに効果的だといわれている3つの理由を紹介します。

ワキガ治療におすすめのクリニック10選！効果やダウンタイムも解説【医師監修】

1.蒸れにくくなり雑菌の繁殖を抑えられる

脇は毛が密集しており、体のなかでも非常に蒸れやすい部位です。

脇毛があると、汗が毛に絡んで長時間同じ場所に留まりやすくなります。 すると、常在菌によって汗に含まれている脂肪酸が分解され、においが生じやすくなるのです。

また、蒸れて常在菌が増殖し、においにつながることもあります。 常在菌は湿度が高い環境を好むため、蒸れた状態が続くと増殖しやすくなるのです。

脇の脱毛をすれば、汗が毛に絡まることがありません。蒸れも予防できるので常在菌の繁殖を予防し、においを軽減できます。

2.肌への負担が少なくなる

脱毛の施術を何度か受けると、次第に脇毛の本数が減り細くなっていきます。 ある程度の回数をこなせば、自己処理をおこなう必要もほとんどなくなってくるでしょう。 これくらいまで毛が減ると、ワキガのにおいが軽減されることがあります。

実は、日頃おこなっている毛の自己処理(カミソリや毛を抜いたりすること)は、肌に負担をかけてアポクリン腺を刺激してしまう可能性がある行為です。 毎日のように自己処理をおこなっていると、ワキガのにおいが強くなることがあります。

脇の脱毛をすると、次第に自己処理の頻度が減っていくので、ワキガのにおいを軽減できる可能性があるでしょう。

3.アポクリン腺の働きが弱くなる可能性がある

脱毛には大きく分けて、エステサロンでおこなう「光脱毛」とクリニックでおこなう「レーザー脱毛」があります。

どちらも熱エネルギーを発生させ発毛組織にダメージを与える方法です。アポクリン腺は毛穴とつながっているので、 この熱エネルギーがアポクリン腺にもダメージを与える場合があります。

ダメージを受けたアポクリン腺は働きが弱くなり、活発に汗を分泌することができず、ワキガのにおい軽減につながります。

ワキガと多汗症の違い

時折、ワキガと多汗症を混同している方が見られます。 ワキガは、脇から強いにおいが生じる病気です。 一方で多汗症は、頭や手のひら、足の裏や脇などから大量の汗をかいてしまう病気のことを指します。

ワキガと多汗症の両方を発症している方もいますが、ワキガ＝多汗症ではありません。 ちなみに、ワキガはアポクリン腺からの発汗が原因となりますが、多汗症はエクリン腺からの過剰な発汗によって引き起こされます。

エクリン腺から分泌される汗は無臭のため、強いにおいが生じることはありません。 ただし、汗をかいた状態のまま長く放置していると、においにつながることがあります。

脇脱毛におすすめの医療脱毛クリニック

「本格的なワキガ治療をするのは怖い」「まずは簡単な対策からしたい」という方は、脱毛から始めてみるとよいでしょう。

脱毛には光脱毛とレーザー脱毛がありますが、ワキガの対策にはより高い出力で照射できるレーザー脱毛がおすすめです。 ここでは、レーザー脱毛を受けられるおすすめのクリニックを紹介します。

ワキガ対策で脱毛するときの注意点

エチケットとして何かワキガ対策をしておきたいという方にとって、脱毛は手軽な対処法です。 脇だけの脱毛なら、ワキガ専門の治療を受けるよりも安い価格で施術を受けられます。

しかし、脱毛には注意点もあるので事前に確認しておきましょう。 「脱毛の施術を受ければワキガが治る」と思って契約すると、後悔することになるかもしれません。

脱毛はワキガの根本的な解決にはならない

脇の脱毛をすると、においが軽減されることがあります。しかし、脱毛でワキガを根本的に治療することはできません。

あくまでもメインは「毛を減らすこと」であり、においの軽減効果はおまけのようなものです。 ワキガのにおいを完全になくしたり、アポクリン汗腺を100%除去したりすることはできないので注意しましょう。

根本的にワキガを治療したい場合は、ワキガ治療をおこなっているクリニックで治療を受ける必要があります。

脱毛当日に制汗剤の使用はできない

ワキガが気になっている方のなかには、日常的に制汗剤を使用している方も多いでしょう。

脱毛の施術を受けに行くときも、医師や看護師、スタッフににおいが漏れないよう制汗剤を使用してから行こうと考えている方もいるかもしれません。

しかし、脱毛の施術当日に制汗剤を使用することはできないため、当日は何もつけずにクリニックに行く必要があります。 制汗剤をつけたまま脱毛の施術を受けると、制汗剤の成分が毛穴に入り込んで脱毛効果が落ちてしまう可能性があるのです。

ワキガを根本的に改善する主な治療法

脇の脱毛はワキガを改善させる可能性があるものの、根本的な治療法ではありません。 人によっては脱毛の施術を受けてもワキガの程度が変わらないことがあります。

しっかりとワキガの治療をおこないたい方は、ワキガに特化した治療を受けることも検討してみてください。 ワキガの治療法にはいくつか種類がありますが、ここでは代表的なものを4つ紹介します。

ミラドライ(レーザー治療)

※画像引用：ルキナ新宿四谷クリニック

ミラドライは、皮膚を切ることなくワキガの改善ができる方法です。

マイクロ波を照射し、汗腺を破壊することでワキガを改善します。 破壊された汗腺が再生することはほとんどないといわれており、半永久的な効果を期待できますが、ワキガの原因となるアポクリン腺よりもエクリン腺を壊す作用が主で、多汗症によりワキガ臭が増幅している場合であれば多少改善が期待できます。

従来の治療では、皮膚を切開して汗腺を取り除く必要があり、傷跡の色素沈着や引きつれなどが問題となっていました。

しかし、ミラドライならマイクロ波を照射するだけなので傷跡が残る心配がありません。 施術後は内出血や腫れが見られることがあるものの、ダウンタイムがほぼないので当日から普段通りの生活ができます。

ビューホット(レーザー治療)

※画像引用：水戸中央美容形成クリニック

ビューホットは、アポクリン腺とエクリン腺の両方を破壊できる治療法です。

汗腺があるところまで針を刺入し、針先から高周波を当てます。 アポクリン腺とエクリン腺はそれぞれ違う深さのところにあるため、針の深さも変えながら脇全体を照射します。

針を刺すので痛みが心配な方もいるかもしれませんが、ヘッド部分に冷却機能がついており麻酔も使用するため、施術中に痛みが気になることはないでしょう。皮膚を切ることもなく、傷跡が残る心配も不要です。 施術当日は針を指した部分が赤くなりますが、約1か月ほどで目立たなくなります。

ただ、ミラドライもビューホットもマイルドな治療となるため、根本的な治療にはなりません。

剪除法(手術)

※画像引用：日本医科大学 武蔵小杉病院

剪除法(せんじょほう)は、皮膚を数センチ切開し、目視でニオイの原因となるアポクリン汗腺を直接取り除くため、再発のリスクが最も低いのが特徴です。

手術は一般的に局所麻酔でおこなわれ、施術時間は片ワキ30～60分程度。術後は圧迫固定が必要で、腫れや内出血が数週間続くこともありますが、根本的な治療が期待できます。 一方で、傷跡が残る可能性があるため、医師の技術や術後のケアが重要です。

効果を重視する方や、他の治療法で十分な改善が見られなかった方に適した方法といえます。また、重症度によっては保険適応になることもあります。

ボトックス注射(ボツリヌストキシン)

※画像引用：共立美容外科

一時的でも良いから費用を抑えてワキガのにおいを軽減したい方に人気なのが、ボトックス注射です。 効果の持続は4か月～半年ほどですが、ミラドライや剪除法と比べると安い価格で治療を受けられます。

脇の下にボトックスを注入することで、エクリン腺からの汗の量を減らし、蒸散して広がる汗のにおいを軽減してくれるのです。 施術時間は10分ほどしかかかりません。

当日からシャワーや入浴もできるので、施術後も普段通りの生活ができます。 ダウンタイムはほとんどありませんが、人によっては注射部位にわずかな内出血が起こることがあります。

ワキガ治療を受けられるおすすめのクリニック

ここでは、ワキガ治療を受けられるおすすめのクリニックを紹介します。 治療内容や費用も紹介しているので参考にしてください。

すぐにできるワキガ対策

ここまでワキガ対策として、クリニックでの治療や脱毛について紹介してきましたが、 「すぐに臭いをなんとかしたい」という方のために、今日からできるワキガの臭い対策を紹介します。

これらはすぐにできる対策ではありますが、ワキガの根本的な改善にはならないので、気になる方はクリニックで治療を受けましょう。

ワキガ治療&脱毛の料金相場

料金相場も加味して、下記のような使い分けがおすすめです。

• 日頃の臭いケアとして、制汗剤やデオドラントシート
• 脇の蒸れが気になる方は脱毛
• 一時的にでもワキガ臭を抑えたい方はボトックス注射
• 本格的に治療したいが切開したくない方はミラドライやビューホット
• 根本的に治療したい方は剪除法(手術)

医師が回答！ワキガについてよくある質問

豊洲内科糖尿病/形成美容外科クリニックの澤口先生に、ワキガについてよくある質問を回答いただきました。

ワキガが脱毛で悪化することはありますか？

ワキガは一生治らないですか？

ワキガはうつりますか？

急にワキガが発症することはありますか？

まとめ| 脱毛でワキガが治ることはないが効果は期待できる

脱毛は、次の3つの理由からワキガのにおいを軽減する効果が期待できると考えられています。

このような効果が期待できるため、ワキガが気になる方は脱毛の施術を検討してみるのもよいでしょう。 ただし、脱毛は根本的にワキガを改善する方法ではありません。

脱毛でケアするのではなくしっかりワキガを治療したい方は、専門的な治療を受けられるクリニックで相談してみてください。 ミラドライやビューホットなどのレーザー治療なら、皮膚を切ることなくワキガの治療ができます。