「つらい食事制限なしで痩せたい」

「ダイエットしたいけれど、運動する時間がない」

「体重を減らすよりも、気になる部分だけ痩せてスタイルがよくなりたい」

このような理想のダイエットをかなえられるのが、医療ダイエットの種類の一つであるクールスカルプティングです。クールスカルプティングは、「クルスカ」と略されたり 「脂肪冷却」といわれたりしています。

この記事ではクールスカルプティングの痩せる仕組みや、クリニックの選び方などを詳しく解説しています。ボディメイクをしながらダイエットをしたい方は、ぜひチェックしてみてください。

脂肪冷却（クールスカルプティング）の効果

クールスカルプティングは、医学的根拠に基づく医療ダイエットであり、メスを使う外科治療ではなく、専用の医療機器を用いる比較的手軽な医療行為です。しかしながらダイエットの有効性には充分なエビデンスがあり、研究論文も発表されています。

「クールスカルプティング」とは本来、厚生労働省の認可を受けた日本で唯一の脂肪冷却装置の名称ですが、そのまま施術の名称として使われるようになりました。

脂肪冷却で痩せる仕組み

「脂肪を冷やしたらどうして痩せられるの？」と、不思議に思う方も少なくないでしょう。脂肪冷却は皮下脂肪を凍らせることで脂肪細胞を破壊して、老廃物として排出することで痩身を実現する仕組みです。

脂肪は水分よりも早く凍る

脂肪冷却は皮下脂肪の特性を利用することで、皮膚にダメージを与えることなく、脂肪細胞だけを減らすダイエットができます。

ヒトの体内には水分や脂肪、血液などがありますが、水分は0℃、血液が-18℃で凍結し始めるのに対し脂肪が凍結し始めるのは4℃です。そのため、皮下脂肪を0℃から4℃の温度で冷やすと、脂肪分だけが凍結して破壊されます。破壊された脂肪は老廃物として便や尿、汗などで体外へ排出されるので、一度減少した脂肪細胞は再び元に戻ることはありません。

皮下脂肪の約20％が減少

脂肪冷却では冷却した皮下脂肪の10～20％が減少し、さらに冷却後にマッサージを加えることで最大44％も減少するという結果が得られています。

ヒトの体には見た目にわかりにく内臓脂肪（臓器の周囲についている脂肪）や手でつまめる皮下脂肪（皮膚の下についている脂肪）がありますが、ダイエットで最初に減るのは内臓脂肪であり、次に減るのが皮下脂肪です。脂肪冷却は減らしにくい皮下脂肪に直接アプローチできる、適切で有効な手段といえるでしょう。

※参考：クールスカルプティングR エリート（クルスカダブル）｜脂肪冷却｜湘南美容クリニック【公式】

脂肪冷却・脂肪吸引・脂肪溶解の違い

脂肪細胞そのものを減らしてサイズダウンさせる医療ダイエットには、脂肪冷却のほかに「脂肪吸引」や「脂肪溶解注射」などがあります。

クールスカルプティングは、これらの2つとは何が異なるのでしょうか？違いや使い分けについて表にまとめました。

脂肪細胞を減らす、リバウンドしにくい痩身方法である点は3種類とも同じですが、アプローチできる部位の大きさが異なります。

いずれも部分痩せに適していますが、脂肪吸引は広範囲を一度に施術できるので全身痩せも可能。

また脂肪冷却と脂肪溶解注射は回数を重ねて効果を出すのに対し、脂肪吸引は1回で効果を出せる即効性があります。

しかしながら、外科手術となる脂肪吸引はダウンタイムや副作用のリスクも大きく、費用も高額になるのがデメリットと言えるでしょう。

※参考：
脂肪吸引なら城本クリニック
小顔の脂肪溶解注射『1日脂肪取り 顔やせ』｜品川スキンクリニック【公式】

脂肪冷却（クールスカルプティング）のメリットとデメリット

メリット

1. 部分痩せにつながる

クールスカルプティングでは、痩せたい部分に脂肪冷却のアプリケーターを装着してその部分の脂肪細胞だけを破壊することでサイズダウンします。つまり、理想の部分痩せにつながるのです。

2.見た目の変化がわかりやすい

脂肪冷却では皮膚のすぐ下にある皮下脂肪を減らします。皮下脂肪は手でつまめるような見た目にもわかりやすい脂肪なので、その部分が減ると外見の変化も顕著です。

3.リバウンドしにくい

脂肪細胞は一度破壊されると、再び元に戻ることはありません。脂肪細胞の数が減った状態をそのまま維持できるので、脂肪冷却した部分はリバウンドしにくくなります。

4.傷跡が残らない

脂肪冷却はメスを使って切開する外科手術ではなく患部を冷却するだけなので、皮膚に跡が残ることはありません。

5.施術中も自由が効く

クールスカルプティングでは、施術部位だけにアプリケーターを固定して動かないようにしておけば、ほかの部位は自由に動かせます。冷却中は横になる必要もないので、本を読んだりスマホを操作したりすることもできます。

6.ダウンタイムがほとんどない

脂肪冷却のダウンタイムはほとんどなく、施術後はすぐに帰宅できて普段どおりの生活を送れます。冷却した箇所の赤みや内出血、色素沈着が起きることもありますが、数日から数週間で解消する軽度なものです。

デメリット

1.体重はほとんど減らない

脂肪冷却で減らすのは脂肪です。脂肪は筋肉よりも比重が軽いため、見た目は痩せても体重は減りません。減ったとしても、せいぜい100～200g程度です。

2.施術に時間がかかる

クールスカルプティングでは、脂肪を冷却するのに35～45分のアプリケーターの装着が必要です。アプリケーターの装着部位を変えながら何カ所も脂肪冷却すると、所要時間がさらに長くなってしまいます。

3.施術時に冷たさや、吸引される痛みを感じる

施術時は該当部位を吸引しながら脂肪を0～4℃に冷やしますが、皮膚が引っ張られる感覚や冷感を痛みに感じる場合があります。

4.即効性がない

1回の脂肪冷却で効果を感じられる場合もありますが、わかりやすい効果を出すには施術を3.4回重ねる必要があります。1回の脂肪冷却で減少させられる脂肪は10～20％程度でしかないからです。

5.副作用の可能性がある

脂肪冷却の副作用として起こりやすいのが、赤みや内出血、色素沈着です。これらは施術後に見られる一時的な症状なので、数日から数週間でなくなります。

また、稀にみられる症状として、凍傷のリスクも否定できません。さらにアメリカでは、「逆説的過形成」という脂肪細胞が逆に増えた例が報告されています。ただし、この「逆説的過形成」が起こる確率は0.033％と非常に低く、2022年時点では国内での報告例はありません。

その他副作用には下記で詳しく説明します。

※参考：みずほクリニック［クールスカルプティング・エリート］

脂肪冷却（クールスカルプティング）に危険はない？失敗する可能性は？

脂肪冷却について検索していると、「失敗」や「死亡」などの怖いキーワードが表示されて心配になる人も多いですよね。

脂肪冷却は外科手術を必要としないため、脂肪吸引に代わる安全性の高い施術として注目されています。ただし副作用が100％ないというわけではありません。赤みや痛みなど、一時的なもの以外にも下記のような副作用が挙げられます。

もちろんどれも極めて稀なケースですが、こういった例があることを頭に入れておきましょう。

逆説的過形成

アメリカでの事例としてあげられるのが逆説的過形成です。

逆説的過形成とは、脂肪細胞を破壊するはずが、逆に脂肪が増えてしまう症状のこと。発現率は0.033％と極めて稀ですが、発症すると自然治癒することはなく、脂肪吸引などの外科的な対応が必要となります。

深部静脈血栓症

深部静脈血栓症とは、いわゆるエコノミークラス症候群のこと。食事や水分の摂取が不十分のままで長時間同じ姿勢でいると、血行不良によって血の塊ができ、肺塞栓を引き起こしてしまいます。

クールスカルプティングの施術時間は短時間であることが多いため、深部静脈血栓症が起こる可能性は極めて低いと言われています。

血管迷走神経反射

緊張やストレスがにより心拍数が減少したり、血圧が低下したりすること。それにより気分が悪くなったり、めまいがするなどの症状が見られます。

発現率は0.003％とごく稀な副作用ですが、普段から緊張しやすかったり不安が強い人は事前にクリニックに伝えておくと良いでしょう。

※参考：共立美容外科［脂肪細胞を破壊する美容整形は危険？施術によって起こり得る副作用や注意点を解説］

※参考：湘南美容クリニック［クールスカルプティングに副作用はあるの？起こりうる副作用や安全性について］

脂肪冷却（クールスカルプティング）がおすすめの人と効果がない人

おすすめの人

効果がない・向かない人

安いor高い？クールスカルプティングの費用

クールスカルプティングの費用は、脂肪冷却する部位とその範囲に比例します。体中のいくつもの部位に広い範囲で脂肪冷却すると高額になり、ミニマムな部位だけであれば多くの費用はかかりません。

脂肪冷却ではクールスカルプティングのアプリケーターを体に装着しますが、このアプリケーターの面の大きさと装着数（エリア）がポイントです。アプリケーターは種類によって単価が異なり、何カ所装着するかで総額が決まります。

クリニックによって脂肪冷却に使用している機器とアプリケーターは様々。価格の相場はアプリケーター1つ（1エリア）で30,000円前後です。

部位別クールスカルプティング費用の目安

アプリケーターの種類と1エリアの面積

※参考：湘南美容クリニック［メディカルサイズダウン］

クリニックはどこが良い？おすすめの選び方

クールスカルプティングができるのは、美容外科クリニックや医療ダイエットの専門クリニックです。

数多くあるクリニックのなかから、脂肪冷却するにはどこを選ぶのが最適なのかを、次にあげる5つのポイントでチェックしてみてください。

脂肪冷却の機器をチェック

クールスカルプティングは医療機器メーカーのアラガン社が製造した脂肪冷却装置ですが、施術としてのクールスカルプティングを考えるなら最新機種の「ELITE（エリート）」を導入しているクリニックがおすすめです。

ELITEは1つの機器に2つのアプリケーターが付属しているため、2箇所を同時に脂肪冷却して施術時間を短縮できます。また7種類のアプリケーターが適材適所に対応し、部分痩せの細やかなボディメイクをかなえられるのも魅力です。

機器を複数台備えていることもポイントです。脂肪冷却は1箇所の施術に35～45分ほどの時間がかかるため、1日に施術できる人数が限られます。複数台のクールスカルプティングを備えていれば予約も取りやすく、同時稼働で数カ所を一度に施術することも可能です。

施術可能な部位をチェック

できるだけ多くの部位を、細かく施術できるかどうかをチェックしましょう。そのためには、多彩なアプリケーターを備えた最新機器を使用していることがポイントです。

例えば、顎下の小さいエリアは、大きなアプリケーターでは施術できません。また腹部全体や背中など、広範囲を施術するのに、大きなアプリケーターがないと時間や費用が多くかかってしまいます。

自分がサイズダウンしたい部位に適した脂肪冷却が、適正にできるクリニック選びが重要です。

実績や施術者をチェック

脂肪冷却にあたって、施術経験が多いクリニックを利用するに越したことはありません。過去の実績や症例写真などをチェックしましょう。

また、クールスカルプティングの専門的な知識や技術を備えたスタッフがいるかどうかもポイントです。クールスカルプティングの製造メーカーでは定期的に技術者講習会を開催して、使い方に習熟しています。認定証が掲示してあれば、トレーニングプログラムを終了した専門スタッフが在籍しているクリニックであり、安心して受けることができます。

価格や支払い方法をチェック

クリニックによって価格や支払い方法が違うので、事前のチェックは欠かせません。脂肪冷却は繰り返して受けるほうが効果を感じやすいため、3回以上の施術が推奨されています。3回施術した場合の総額も考慮して、検討することをおすすめします。

ほとんどのクリニックでカード払いは可能ですが、分割払いやボーナス一括払いの可否はクリニックによって異なります。自分が希望する支払い方法が可能かどうかも確認するポイントです。

フォロー体制をチェック

脂肪冷却は医療行為の一種であり、施術による副作用は無視できるものではありません。施術後のトラブルが起きたときや不安になったとき備えて、すぐに相談できるフォロー体制が整っていると安心します。

遅い時刻まで対応可能なフリーコールや、術後にも診察が無料で行えるなどのフォロー体制があるかはチェックしましょう。

脂肪冷却（クールスカルプティング）のおすすめクリニック8選

脂肪冷却（クールスカルプティング）の施術の流れ

脂肪冷却の具体的なイメージを事前に持っておくと初めてでも不安が和らぎ、リラックスして施術を受けられます。実際にクールスカルプティングする際のおおまかな流れを、頭に入れておきましょう。

カウンセリング予約

まずはクリニックに無料カウンセリングの予約をいれます。当日にすぐ施術したい場合は、できるだけ早い時刻に往院するのがおすすめ。施術に充分な時間が取れ、術後に何かあった場合にもその日のうちに相談できる安心感が持てます。

カウンセリングと診察

カウンセラー（相談員）と面談して要望などを伝えたのち、医師の診察を受けます。脂肪冷却が最適かの判断や、ダウンタイムや副作用リスクの説明、要望に対して具体的にどのようなクールスカルプティングが最適なのかなどの判断がなされます。

場合によっては脂肪冷却以外の方法を勧められたり、ほかの施術との併用を提案されることもあります。

施術内容を決定

医師の診断に基づいて、カウンセラーが施術内容と費用の見積書を提示します。内容や金額をチェックして納得すれば決定し、変更することも可能です。

当日にそのまま施術するのであれば支払いをしますが、日を改めて施術する場合は施術当日に支払いをするクリニックが多いようです。

クールスカルプティング施術当日

1. 受付を済ませたら着替えて、術前の写真を撮影します。
2. アプリケーターを装着する部位にマーキングします。
3. マーキングした部位に、凍結防止用のゲルシートを貼ります。
4. アプリケーターを装着して、バンテージで固定します。
5. 脂肪冷却がはじまったら、35～45分ほどそのまま過ごします。この間、本を読んだりスマホを使ったりもできます。

アプリケーターをはずした後は、看護師が1～2分間ほど装着していた部位をマッサージします。脂肪がシャーベット状になっているのをほぐして凹凸ができるのを防いで、脂肪減少の効果を高めるためです。また、施術後はすぐに帰宅できます。

ダウンタイム

クールスカルプティングにダウンタイムはほとんどなく、施術当日も運動や入浴が可能で、普段どおりに過ごせます。

副作用で装着箇所が赤くなったり、内出血や色素沈着が見られることもありますが一時的なものです。数日から数週間で自然に解消されます。

※参考：クールスカルプティング施術の流れ｜ブランクリニック

脂肪冷却（クールスカルプティング）のよくある質問

Q1.クールスカルプティングの効果はどのくらいで現れますか？

A1.2～3ヵ月後からです

脂肪冷却で破壊された脂肪細胞は老廃物として、数ヵ程度月かけてゆっくり体外へ排出されます。

1回の施術で効果が出る場合でも、早くても2～3ヵ月の期間が必要です。複数回にわたって施術を重ねると、効果が現れるのにはさらに4～6ヵ月ほどかかります。

Q2.脂肪冷却中に痛みはありますか？

A2.痛みを感じることがあります

冷たさや吸引される感覚が、痛みに感じられます。冷たさはやがて麻痺して感じなくなり、引っ張られる感覚もすぐに慣れるので、麻酔を必要とするような大きな痛みではありません。

Q3.クールスカルプティングは1回の施術でも効果はありますか？

A3.3回以上が効果的です

1回でも効果が出る方もいますが、1～2ヵ月の間隔を空けながら3回以上行ったほうがわかりやすい効果を出せます。

Q4.クールスカルプティングが一番効果的なのはどの部位ですか？

A4.腹や二の腕、太ももの内側です

クールスカルプティングは、ほかのダイエットでは落としにくい部位に最も効果的です。身体が全体的にサイズダウンしても痩せにくい、皮下脂肪が多い部位に適しているので、お腹や二の腕、太ももの内側の部分痩せに適しています。

Q5.クールスカルプティングで体重は減りますか？

A5.ほとんど減りません

クールスカルプティングは脂肪細胞を減少させる施術です。脂肪は筋肉よりも軽いため、脂肪細胞が減っても体重はほとんどかわりません。

Q6.クールスカルプティングとほかの医療ダイエットは併用可能ですか？

A6.可能です

脂肪冷却はほかの医療ダイエットを組み合わせると、さらに効果がアップします。脂肪細胞を減らすダイエットで体重はほとんど減らないため、全体的に痩せて体重減少も希望する場合は、GLP-1ダイエットなどと組み合わせるのがおすすめです。

※参考：
クールスカルプティングで得られる効果とは？症例とあわせて紹介（湘南美容クリニック）
脂肪冷却とは？効果や副作用、メリット・デメリットについて解説（アイシークリニック）
クールスカルプティング（クルスカダブル）に必要な回数は？部位ごとに紹介（湘南美容クリニック）

まとめ

痩せにくい部位も確実に皮下脂肪を減らせるクールスカルプティングは、ボディメイクに優れた医療ダイエットです。ダウンタイムや痛みを伴うことなく、サイズダウンがかないます。

脂肪細胞を減少させるのでリバウンドしにくく、これまで何度もダイエットに失敗してきた方には大変魅力的な施術といえるでしょう。

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